今回は、丸魚、柵、切り身、刺身の保存方法について、プロの視点からアドバイスをお伝えします。
切り方や加工度合い、要加熱などによって名称が変わってくるのでそこらへんも詳しくお伝えします。
加工度合い別の保存方法
丸魚の保存方法 – 鮮度を保つ基本テクニック
丸魚は何も加工されていない状態の魚です。『丸』とも言われます。卸していないので空気に触れる面積が少なく、比較的長持ちします。内臓などは早めに除去することで熟成なども可能です。
以下、保存方法です。
- ウロコ、エラ、内臓を丁寧に取り除き、水で洗い流します。
- キッチンペーパーで水分をよく拭き取ります。
- ラップで包むか、ジップロックに入れて空気を抜きます。
- 冷蔵庫のチルド室やパーシャル室(0〜2℃)で保存します。
魚屋のコツ: 冷凍する場合は、内臓を取り除いた後、水を張った容器に入れて凍らせると、空気に触れずに保存でき、解凍時の品質も保てます。また、丁寧に血抜きされている魚はより日持ちします。
柵の保存方法 – 昆布締めや塩締めで風味アップ
柵は刺身にする前の短冊状の物のことを言います。基本的に加熱用ではなく刺身用、生食用、カルパッチョなどの用途で使われます。柵は購入後1日以内で食べるのが理想ですが、タイなどの白身魚は保存の仕方によってはその後も美味しくいただけます。マグロやブリ、カンパチなどは色変わりが早いためなるべく早めにお召し上がりください。
新鮮さを保つために以下の方法で保存しましょう。
- キッチンペーパーで水気をよく拭きます。
- ラップでぴったりと包みます。
- 冷蔵庫の一番冷たい場所で保存します。
よくペーパーに包んでラップをして冷蔵してくださいと言うのが多いのですが、ペーパーはなしでラップだけの方が空気に触れないため酸化しづらいです。
魚屋のコツ:
- 昆布締め: 柵を昆布で挟んでラップで包み、冷蔵庫で1〜2時間置くと、旨味が増します。
- 塩締め: 柵に薄く塩をふり、30分ほど置いてから水気を拭き取って保存すると、身が引き締まります。
両方とも塩味が付き、水分が抜けるため保存性は高まります。
切り身の保存方法 – 下味冷凍で便利に
切り身は主に焼き魚や煮魚など、加熱して食べる用途の物を指します。サワラやサケ、タラ、タイ、カジキなどの切り身が一般的です。加熱調理前提のため購入してから2日間ほどはそのまま冷蔵庫にいれても問題なく召し上がれます。
- キッチンペーパーで水気を拭きます。
- 一切れずつラップで包みます。
- 冷蔵庫で保存します。
魚屋のコツ:
- 下味冷凍: 醤油、みりん、酒などで下味をつけてから冷凍すると、解凍後すぐに調理できて便利です。
- 煮付け冷凍: 一度煮付けにし味付けしてから冷凍すると、解凍するだけで食べられる常備菜になります。
刺身の保存方法 – 最高の鮮度を保つテクニック
刺身は鮮度が特に重要なため、できるだけ早く食べるのが一番です。一応どこの魚屋さんでも刺身やお造りは当日期限になっています。特に色変わりが早い赤身、青魚などは日持ちしません。白身は以下の方法で保存も可能です。
- キッチンペーパーで水気を拭きます。
- 脱水シートで包みます。
- さらにラップで包み、空気が入らないようにします。
- 冷蔵庫の一番冷たい場所で保存します。
魚屋のコツ: 刺身の冷凍はおすすめしませんが、やむを得ない場合は、醤油・酒・みりんを合わせたタレに漬けてから冷凍すると、解凍後も美味しく食べられます。また加熱調理することで美味しく召し上がれます。刺身が残ったときはオイル漬けにしたり、鍋やチャーハンしたりもおススメです。
以上の方法で保存することで、魚の鮮度を長く保つことができます。ただし、できるだけ早く食べることが魚を美味しく食べる一番の方法です。フードロスを避けるためにも食べきれない場合は魚屋のコツを活用してください。
魚本来の美味しさを楽しむために、これらのプロの保存方法を活用してください。
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